iPhone5発表イベント雑感2：「ありふれた」は最高の褒め言葉

iPhone5発表イベント雑感2：「ありふれた」は最高の褒め言葉

iPhoneは間違いなく発表されるとして、iPodは!?、iPadは!?、Macは!?、Apple TV(もしくはiTV)は!?、iCarは!?(^^;)と、色々期待持たれていたが、結果は以下のアイテムのみとなり。

iPhone 5

• ジョブズが亡くなって一年程になるが、開発時期的にこれこそがジョブズ亡き時代の第一号といっていいアイテム (今後大きくする事を前提に、プロトタイプには触っていた可能性もあるが)

• 画面を大きくするという一番の命題に対し、性能を保ちつつも持った感じを台無しにしないというもう一方の命題があり、薄さ、軽さ、質感を出来る限り高めた感じがする (実物見てないから何ともいえないけど(^^;))。28gダウンの意味は大きい
  • 個人的には、「携帯電話」である以上は手に不足無く納まるサイズがベストであって、大きくなる事に抵抗感があった。それは今でも変わらないが、ここまで薄く軽くなるなら1cm位伸びてもいいかという気にもなってきた

• 画面が大きくなる事の利点は言うまでもないが、しかし3.5から4インチ、たった1cm伸びる事での影響は大したものではない。大きさを強調しがちな今のスマホ市場に合わせ(小さいと言われたくないので)仕方なくというか
  • アプリの対応については、少なくとも一年位の間はこれまでのサイズも疎かにされる事なく、大きくなった分は主にプラス要素として使われるのでは

• 今回のデザインの受け取り方は好みによって異なるだろうが、それはそれとしてアルミボディの質感は良さげ

• 通信関連の強化も良い要素。ただしLTEになる事でこれまでよりキャリアに払う利用料アップする可能性高く、全ての人に必要かどうかは疑問。使用上限が設定されたLTEではテザリングや3GでのFaceTime等の解放も期待出来る

• A6チップ＝Cortex-A15で現時点最高峰に近く、一年は見劣りしないはず。バッテリーを犠牲にしてないようで、iPhoneでこれだけ可能なら、同チップがiPadに搭載された際も期待出来そうだ

• バッテリーの保ちは満足するにはまだ遠いが、それでも他よりはマシなようなので・・・

• カメラ機能も諸々アップしてるようだが、実際見ないと何とも。自分撮りカメラの画素アップは女子的には嬉しい要素だろう。パノラマ撮影自体はiOSアプリでも色々出てたし目新しくないけれど、簡単で質高いとなるとなかなか無いので出来良ければ嬉しい

iPod touch

• 完全に若者向けを意識した作りで、「iPodシリーズ」の立ち位置としては正しい

• touchはiPhoneの「廉価版」「キャリア契約不要版」と見られがちだったが、部品の共通化をより進めながらも、カラーバリエーションやtouch loop(ストラップ)等、所々で「iPhoneとは違う」という強い押し出しが見えてきた

• 薄さ、軽さ、液晶申し分無し。液晶のiPhone 5との共通化は大量生産によるコスト抑え、新しいアプリ画面サイズの普及を狙ったものだが、iPhoneと同じ位touchを重要視しているとも取れる (iPhoneの伸びに反比例するようにiPodの売り上げが落ち込む中、touchの立場も若干曖昧化していたが、方向修正したように受け取れる)

• カメラはようやく必要十分なレベルに (まあケチらず800万にしても良かったんじゃないとは思うが・薄いため厳しい?)

• 処理能力はiPhone 5やiPad 2012には劣るがこれまた十分で、一年二年は現役でいけるはず

• デザイン破綻の無いストラップ装着機構、なかなか良く考えられてる。けして際立ってないが自然で、こういうのが出せるのが今のAppleの強み

• Bluetooth 4.0や強化されたWi-Fiも今後考えればポイント高い

• 客観的な目でみてマイナス点は、価格。コストパフォーマンス悪いわけではない。しかし、旧型touchを廉価として当面残す流れで24800円となったのかもしれないが、自社他社の他製品との比較からも、16GBモデルを用意して最低価格を2万円以下に設定するべきだったと思う。下で書くが、これでアレが遠のいた気がする

• 主観的な目でみてマイナス点は、カラーバリエーション含めたデザイン。背面等あまり好きな感じではない。リンゴマークにしてもそうだが、シンプルな良さが少し失われている
  • 質は高そうだし、実際の物をみたら気持ち変わる可能性あり(^^;)

iPod nano

• まさかの先祖返り (というかSmall touch化)
  • 非常にコンパクトで腕時計化したり、クリップオン可能な第6世代もいいと思うんだけどなぁ。持ってる第6世代大事にしよう・・・

• 薄さ、軽さ申し分無し。でもこの位じゃ驚かなくなったのも確か

• Bluetooth 4.0内蔵でワイヤレス利用しやすくなった

• それなりの大きさのタッチパネル化により、多分操作もこれまでよりしやすいはず

• この画面サイズでは写真ビデオはオマケ程度

• 客観的な目でみてマイナス点は、容量と価格。音楽だけなら確かに16GBあれば足りるかもしれないが、しかし今の32GB SDの価格を考えると、中途半端なサイズにも思えてしまう。それも含め12800円という価格はお買い得感が薄い

• 主観的な目でみてマイナス点は、カラーバリエーション含めたデザイン。若者向けだしポップで良いとも言えるが、私はちょっと・・・
  • マーケットに合わせる事を意識しすぎると、Appleらしさを失いかねないという危惧も浮かんだり

iPod shuffle

• えっ、あったっけ?(爆)
  • 殆どおまけ扱いの紹介(^^;)

• 特に大きく変わったところ無し。イヤフォンも旧型だし、とりあえず残してるといった感じ
  • 価格さえ抑えられるならshuffle廃して第6世代nanoが代わりにおさまるのかもしれないが、あのクオリティのを5000円で出すのは難しいのだろうか

その他

• 新しいLightningコネクタは小さくリバーシブルで使い勝手アップ。完全デジタル化した影響でアナログ映像出力出来なくなったよう (アナログ音声は変換コネクタならいけるとか)

• それ程注目されてない所にこだわりを見せるAppleの姿勢は嫌いじゃない。今回でいえば、カメラレンズカバー「サファイアクリスタル」と、新イヤフォン「EarPods」
  • サファイアクリスタルは高級腕時計等にも使われる素材で、ダイヤモンドの次という位硬く、こすり傷はまず付かない (ただし衝撃には弱く端等欠けやすい面もある)
  • スマホのためにわざわざイヤフォンをこだわって作るメーカーはまず無いが、AppleはiPodと絡める事でイヤフォンにもこだわれる。iPhoneとiPod touchの部品共用等、そういった自分達の強みが分かってる。まあ値段なりではあるが

• 今回iPod classicは手つかずだったが、SSDの価格もちょっとこなれてきたし、余計な機能取り払ってSSD100GBオーバーのを出してもいい頃合いでは

• iPod touchの価格が自分的には予想外の高さで、iPad miniが遠のいた感じがする。iPadと同じ価格のiPad miniも、iPod touchと同じ価格のiPad miniもバランス考えるとありえない
  • 最安値で比較した場合に32GB touchが24800円、16GB iPad 2が34800円、16GB iPad 2012が42800円。もしiPad miniが16GBで3万位なら確かに隙間におさまるが、他デバイスとたった5000円位しか値段差無く、容量多いモデルでは逆転現象が起き、互いに食い合う事になりかねない
  • まあiPhoneとiPadの価格も単純比較出来なくなっていて、全く無いとは言えないが、他社7inchに対抗する意味合いが強いiPad miniは2万円台に抑えられるかどうかが戦略上大きなポイントなので、touchがこの値段ではバランスよくない
  • あと三ヶ月はiPad miniが出ないというなら、その間旧touchを売りさばいてしまい、iPad mini発売と同時に今回のtouchを値下げする(もしくは16GB版を出す)という手も無くもないが・・・

総じてみると、正直少し物足りなさを感じなくもないが(まあそう感じてしまうのは、Part 1で述べたように結局リークのせいなんだけど)、冷静にみればけして少ない点数でもなく、アイテムの注目度を落とさないよう発表を分散させた事を伺わせる。
今年終わるまでまだ二ヶ月以上あるので、お預けになったアイテムが今年中に出てくる可能性は十分あるだろう。

デザイン面はiPodでは少し攻め、iPhoneでは少し守った感じだ。技術面は基礎を強化する事に注力し、余計なものには手を出さず。

特にiPod発売以降、Appleのターゲットは世界中の子供から大人までと幅広いものとなって、驚きよりもバランスを重視しているのは明らか。バランス考慮し、価格を抑え、一方で性能や質は落とさずとなると、無難なデザインで、広まった技術が安くなったタイミングを計って大量発注するのが手としては最も良い。
そういう戦略に沿って作られたものは、どうしても驚きや面白みに欠けがちで、尖ったアイテムを求める人にはイマイチかもしれない。

しかし。

一部の者にだけ愛される奇抜なドクターペッパーじゃ世界は変えられない(自分はドクペ好きだけども(^^;))。本当に世界を変えられるのは、広く長く愛飲される砂糖水の方だ。
「iPhoneのようなもの」がありふれたと言われ始めたならば、それは世界を変える事に成功したからに他ならない。

ただ単にありふれたものを安く出すでは、いずれそっぽを向かれる事もあるが、Appleは大量買い大量売り出来る立場を活かして他で見られない技術も取り込み、質を向上させている。ソフトの自社開発と上手く絡めながら。
この方向でしっかり進んでいる限り、Appleは大失敗という文字とは無縁に違いない。

もし今使っている物に不満があり、ハズレ無いありふれた物で構わないのであれば、購入しても損しないのではと思う。

個人的に買うか買わないかも書いとく。

iPhone 5については、ボディサイズ変わる事の違和感はほぼ無くなったものの、去年10月に出たばかりのiPhone 4S買って特に不満感じてないので買い替えには至らないかも。旧touchに近づいた薄さや軽さは魅力的とはいえ。
まあ結局はキャリアの金額提示次第か(^^;)。焦らず様子をみようかと。

iPhoneとiPadでは使いやすいシーンは必ずしも一致せず、どちらかだけに絞るのは困難だが、両方とも発売以降ずっと使ってきた中で、トータルで考えればiPhoneよりiPadの方が使いやすい、役に立つというのが現状の結論 (ただし、どこでもiPadでネットワーク接続出来るという条件付き)。
なのでiPhone(スマートフォン)の重要度は昔ほどではない。

テザリングは勿論あったらあったで良いに決まってるが、LTEで高くなった料金+525円(auの場合)に見合う程の必要性があるかどうか。
セルラーiPadのソフトバンクに支払う回線利用料が月に2200円程で(本体一括で買い、利用料から割り引かれる場合)、それで満足出来てるので、テザ使うのがMacBookやゲーム機位じゃいらない気がしてる。

touch購入も考えてたが、デザインと価格から様子見に。6G nanoで満足してるので新nanoも要らず。

・・・忠誠心薄いな(爆)。